ポエム
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さかなになる日
ふと窓のほうに目をやると
外を魚が泳いでいった
目をしばたかせて窓辺に行くと
街は水に沈んでいた
あれは海の魚だったか
向かいのマンションは屋上も沈んでいた
水面は見えない
夢か幻にちがいない

息子らを呼んだ
両手につかまった3歳と2歳の子らの
手のあたたかさは現実だ
群れてくる魚が見えた
このマンションは22階
今いる部屋は14階 では水圧は?
窓ガラスは強化ガラスだったか?
バカなことを考えている 水圧?
窓が壊れないはずはない
ではこれはやはり夢か幻だ

おかあさん 水族館みたいだね  すいじょくかん?
ちがう 水族館とは逆のシチュエーションだ
軋む音は聞こえてはいないか
おともだちになるのかな  おともだち?
冷えていく意識のなかで
この子らは魚にもなれるだろうか
それが私のわずかな希望となった
このあたたかな手が私から失われようとも
21/05/02 18:23更新 / Sayori



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