ポエム
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両生
枯れ枝が風に揺れ
水べりがへんに明るい
蛇だろうか 鬼火だろうかと
疑い出すのも
思い出したくないことを思い出す病だ
顔はほてっているのに背筋は寒い
確かめるほどのこともないのだからと
沈みこんで
水気の多い体を横たえ
長いこと閉じこもったまま
想像力が乏しくなれば
息苦しさにも順応してくる
わずかな呼吸で
ふくらんでゆく白い腹のいじらしさ

月が満ちるごとに
いくつかの眼がうまれ
水面に浮かび
広い空ばかり見て育つ
足がはえ手がはえて
視野が低くなってから
水藻 水苔 水草をたどり
折れた枯れ枝 岩の類
とびこえて
深呼吸をしようとしたときに
あぶない
と叫んだのは誰だったのか
口を押えてきびすを返した
姿形のよく似た連中
ぬめるような
足裏の感覚なら覚えている

夢のなかでは
後ろ指をさされることもない
病にひたって
思いどおりの未熟さで
息をつめていることもできる
蛇たちは枝先から風に揺れ
水べりはしんしんと燃えていることだろう

21/03/09 20:22更新 / Sayori



談話室



■作者メッセージ
詩、はじめて投稿します、よろしくです。ところで、縦書きはできないのでしょうか?

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