ポエム
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4歳になる君と
小さい子にもプライドというものがあって
「わからない」とか「知らない」とか言いたくないらしい
そういうとき 君は 「おべんとー!」と言う

「恐竜」「魚」「動物」の次には
「人間の図鑑が欲しい」と言うから
「人間は動物だよ」と答えたら
2回ターンして両手を上げ「おべんとー!」と叫んだ

いつからヒトは生きることを悩ましく
思ったりするようになったのか 私が
生きづらくてつらいと感じていたときに
「あなたが生きているのはあなたのおかげではないのだ」
と言われてますます悩んだものだった

私という生き物は
とてつもない偶然の積み重ねのおかげなんだと
教えてもらったところで
なにか悩みが解消するわけではなかったが
一、十、百、千、万、億超えて 兆超えて
京 以上は知らないことに気がついた
君はお風呂で30までしか数えない

人間はヒトという動物だ そして
ありとあらゆるものは
気が遠くなるほどの偶然の積み重ねでそこにある
だから 今は 君と
「おべんと、おべんとー!」と笑いあいながら
輪を描いて走りっこしよう

明日は
ハッピーバースデーだね

、 
21/03/29 19:07更新 / Sayori



談話室



■作者メッセージ
いつもはスケッチ画を描くように書くのですが、今回はダイレクトな物言いにしてみました。賛否両論ありますでしょうが。

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