へびの春
樹々はのどかに朽ちていた
あなたは樹の下で
アルコホルを献じている
酔うとみんなぼんやりしてきて
おずおずと手をのばせば
どの方向からでもひらひらとおちてくる
明日 明日 明日 明日
手があるのがおかしいね
ひざしのせいよ くすぶって
すぐに夏になって 影も短くなる
長生きしたいね
ふと見ると
根に近いところで 細い枝が
思い出したように芽吹いている
枝を折ってはいけないのだ
そおっとそおっと
微笑んでただ微笑んで
芽吹きの果てを眺めていた
21/03/28 20:05更新 / Sayori