へびの通夜
乾杯をしましょう わたしたちはまだ
輪にはいることができません
輪は鎖のように連なって わたしたちを
後手にやさしく縛しているでしょう
断ち切られた鎖が木の上で からからと
鳴っている 歩けば揺れて からからと
鳴っている ひからびていくのあれはなに
ただのまぼろし
いつかわたしたちも 円を描いて
ふたたび始点にたどりつく
鎖はすこしのばされるでしょう
ゆめみがちに次の軌跡に手をかけて
その日のために乾杯をしましょう
ときどきあかい木の花が
ぽたりと落ちては吸いつくよう
手の形をした葉っぱのかげで からからと
わらうように鳴っている
あれはまぼろし ただのまぼろし
輪にはいることができません
輪は鎖のように連なって わたしたちを
後手にやさしく縛しているでしょう
断ち切られた鎖が木の上で からからと
鳴っている 歩けば揺れて からからと
鳴っている ひからびていくのあれはなに
ただのまぼろし
いつかわたしたちも 円を描いて
ふたたび始点にたどりつく
鎖はすこしのばされるでしょう
ゆめみがちに次の軌跡に手をかけて
その日のために乾杯をしましょう
ときどきあかい木の花が
ぽたりと落ちては吸いつくよう
手の形をした葉っぱのかげで からからと
わらうように鳴っている
あれはまぼろし ただのまぼろし