ポエム
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へびの通夜
乾杯をしましょう わたしたちはまだ
輪にはいることができません
輪は鎖のように連なって わたしたちを
後手にやさしく縛しているでしょう

断ち切られた鎖が木の上で からからと
鳴っている 歩けば揺れて からからと
鳴っている ひからびていくのあれはなに
ただのまぼろし

いつかわたしたちも 円を描いて
ふたたび始点にたどりつく
鎖はすこしのばされるでしょう
ゆめみがちに次の軌跡に手をかけて

その日のために乾杯をしましょう
ときどきあかい木の花が
ぽたりと落ちては吸いつくよう
手の形をした葉っぱのかげで からからと
わらうように鳴っている
あれはまぼろし ただのまぼろし
21/03/28 19:52更新 / Sayori



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