約束を果たしたあとに
ふたたび季節は巡る
わたしの上には
たくさんの女たちがひしめいて
おしゃべりで忙しい
かさこそとささやき声で
風に
他愛もなく
子どもをあずける
遠くへ
羽をひろげて
遠くへ
空へ
飛んでいけ
できるだけの働き
できるだけの努力
できないことにはふれず
七本指の手に
約束ならいくらでもした
女たちは気がよくて
必要以上のものはほしがらない
ほしがって
いたのだろうか
考えごとをするのは
冬になってからでいい
含み笑いの去ったあと
役目を終えて
すっかり地を覆った
あかいてのひらに
ときどきぶちのように
きいろい指がみえるのは
もっと遠く
かたくなさは迂回して
もっと遠くへ と?
冬には夢が蜜をつくる
傷をつけて
したたり落ちてゆく
うすい夢をあつめて
ふりかえり ふりかえり
どれほど煮詰めることだろう