ポエム
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必要のない 不要な存在の自分
世界から見たら自分など必要のない存在だ

自分がいなくなっても世界はなんら問題なく普段通りの日常を展開しているはずだ

だから自分は紛れもない不要な存在だ

でもだからといって悲観したり嘆いたりはしない

なぜなら自分はこの世界に必要とされたくてここに居るのではなく

単にこの世界に居たいから居続けているだけのなんとも身勝手極まりない人間だからだ

この世界に居れば

青い空を見ることも出来るし

心地良い清風を肌で直接感じることも出来るし

澄み切った清流が物静かにサラサラと流れる様子も

数え切れないほどの可憐な花々がその多彩な花びらで大地を色彩豊かに美しく彩色した光景も

何百年と気が遠くなるほどの年月を過ごしてきた大樹たちが周囲に生きる生き物たちの生命を父母の如く育み守っている姿も

心が打ち震えるほど止めどなく感情が溢れ出てしまうほどの雄大な絶景なども鑑賞することが出来るし

無邪気に遊ぶ子供たち 
青春を満喫する少年少女 
仲睦まじく手を繋いで歩く恋人たち 
夕焼け空の下 購入品を詰め込んだエコバッグを持って幼い我が子と一緒に家路に着く親子

そんな穏やかな場面を目の当たりにすることも出来るから

だから自分はここに居る

不要で必要の存在だが それでもこの世界を形作る一つ一つのピースに心惹かれ愛おしく思っているから まだここに自分は居る

世界からすれば傍迷惑かもしれないが

それでも世界よ すまないがまだキミの優しく暖かい胸に抱かれて居心地のいい夢を見させてくれ

そして命果てる時

キミの元に生まれて良かったと

キミの元に生まれて幸せだったと

心の中で囁かせてくれ



25/05/16 17:33更新 / まだら雲



談話室

■作者メッセージ

自分勝手な輩が自分勝手な思いを綴った文章です

読んでいただきありがとうございました

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