ポエム
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鴉の哀歌
苔むした煉瓦に伝っていく
何処かへ手を伸ばした 果たして
元在る美しさを汚してまで

暮れる 火が眠りにつくようだ
心が闇に焼かれる様だよ
黒い輝きに誰も依らず 惹かれる

羽を休めたい 渡り鴉の悲鳴
伸ばされる手に身を寄せず
暮れる陽を追い ひたすら鳴く
私に愛を寄越せ 私に光を寄越せ
濡れ羽の輝きは鈍く 決して交じらない

その尊い美しさを擲つように

表情無く 何を思うかな
風を切る音は小さく 激しく
伝う涙をあっという間に拐っていく

命を休めたい 渡り鴉の願い
冷たい雨に身を震わす温もりも無く
雨雲に背を預け ひたすら叫ぶ
私に想いを寄越せ 私に熱を寄越せ
孤独を孤高と呼ばず 決して愛されず

その尊い輝きを擲つように
21/10/11 22:16更新 /



談話室



■作者メッセージ
凍えるのは、暖かいから
想いを欲しがるのは、想いを知っているから
愛されたいのは、愛しているから

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