後ろ暗いモノを抱き締めている

知られまいと深く深く隠し込んで

綺麗な笑顔と人好む性格を張り付ける

私とアナタの線を引いて扉は閉めたまま

やがて祟る無理を恐れながら

得た愛を守るべく矛盾を抱えて耐え忍ぶ

時に激情のままぶつかり合い

時に溶けてしまいたいと甘え合い

時に一線を守りたいと突き飛ばす

そんなアナタを全て知りたいと願い

そんな私を全て知って欲しいと悩む

知れば知るほど隠しきることは難しく

とても柔らかく脆い部分が震え出す

捨てられてしまうかもしれないな

得た愛が枯れてしまうかもしれないな

そうなってしまう事を恐れながら

それでも知りたいと願い

それでも知って欲しいと悩む

そこまでやってやっと安心を得る

捨ててしまうような覚悟なら資格は無いさ

知った瞬間に目を反らしてしまうなら

最初から隣に立つ資格なんて無いのさ

中途半端な快感と温もりに酔って愛を誓うから

アナタを愛した私は傷付いて

アナタを信じれないまま傷付けて

最後に深い悲しみと後悔が残るだけになるのさ

枯らすつもりで育む愛なんて無い

アナタは知られる覚悟を決められるか

知って尚捨てずに立つ事が出来るか

後ろ暗いモノを抱き締めてる人へ

愛を語り続けるのはとても恐ろしいけれど

人の心に触れて隣に立つというのは

そういうことなんだよ

■作者メッセージ
覚悟も決めずに呟かれる愛情ってのは脆く薄っぺらい