寒気が刺した
アナタの中に居座る私は
「怖い」から出来てるみたいだ

深く根付いた胸の奥
細波も立たない
ただ燃え上がるばかり

ゾッとしようよ
二人で美しさを占めて
どこにもいる誰かなんて放って
迫る恐ろしさに溺れながら
この愛で突き刺しあって

怖気が走る
普通を愛せないアナタは
「哀れ」から出来てるみたいだ

浅く息吐く隣の熱
今にも消えそう
ただ人より冷たい指が尖る

ゾッとしようよ
二人で狂いながら踊って
指される指なんて無視しながら
涙も渇れる様な哀れさで
絡めた手を溶かして終おう

それの何が駄目だと言うのかい
誰もに愛を求めたって
その全てに返せるのかい

ただただ唯一
怖い私と哀れなアナタでいい

ゾッとしようよ
この堕ち突いた愛に濡れよう
何処まで暗くても恐怖は燃えない
こんなにも眩しい世界だ
それが導になると想う

寒気が刺した
アナタが怖れる私は
哀れなアナタへ溺れたままだ

■作者メッセージ
イカれてる？
知ってるよそんなこと
正気で愛し合ってる人なんてそういない