こんなところにあったのね
なんて風に昔の宝物を見つけ出してみて
些細な幸福感と懐古に時間を分ける時

所々壊れて草臥れてるのに
それはどうにも愛おしい想いに溢れて
こんなに成っても形があるんだと思い知る

ヤぁだね本当に
幼いなりに欲しがって手に入れたモノなのに
今日まですっかり忘れているんだから

そんな薄情ともなんか違う感情があるのよ
必要ないって捨てたモノだけで
とても美しい自分が出来上がったりして

無垢が欲しがるのは無意味かしら
無意味でも綺麗に映るんだもの
手を伸ばさずにはいられないのかしら

どうせ最後は壊して捨てて忘れてしまうのに
私の宝箱にはそんな無意味で溢れてる
そしてそれを不思議と汚いとは思わないのよ

なんて大切な宝物達
一銭にもならないようなガラクタ達
ねぇアナタ達のお陰で私は綺麗と言われたわ

■作者メッセージ
宝箱って見付けた時には大抵埃まみれだね
でも汚いって思うより先に嬉しくなったりしてさ
どれだけ壊れてても捨てられないんだよね