ポエム
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遺品の残り香
残された靴に足を入れる
私では到底入らなかったとしても
底に貴女の温度が残っている気がした

残された人形を抱き上げる
私には愛らしく見えないとしても
底から貴女の瞳と見つめ逢える気がした

欠片を一つ知るたびに
私と貴女の世界の遠さを知っていく

骨の灰はあんまりにも軽く
全てが過去に成っていく闇を感じた
輝き目眩いそれに満たされながら
仄暗く優しい光を求めずにいられない

やがては笑う時が来るんだろう
唯一残る香りを裏切りながら
真新しい愛に飢え続けて

私の靴が貴女の足を忘れさせるんだろう
21/06/22 02:36更新 /



談話室



■作者メッセージ
どうか安らかに眠ってください
嗚咽と涙混じりの笑顔で告げるその言葉は
美談と呼ぶにはあまりにも悲しい

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