ポエム
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待ち人は
待ち人は来ない

そう悟る程には待っていた

遠い朧気な記憶に馳せながら

雨に濡れた髪が雪を纏っても

凍る寒さすら愛しいと想うほど

心の熱は途切れないままだ

待ち人は来ない

知っているさそんな事は

私が勝手に佇んでいるだけ

明るく狭い街灯の下で

もしかしたらと途切れ途切れに

待ち人は来ない

今はそれでいいさ

消えないと分かってるから

私は消さないと決めているから

悄々と頬笑む寒空の下

待ち人は来ない

それでも幼い明日を約束したから

祈りに似た笑顔を浮かべて

やがて来ると信じて待つ

身からポロリと落ちる粉雪
22/03/31 01:34更新 /



談話室



■作者メッセージ
おやすみ、また明日。

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