正義漢と悪漢の歯車が噛み合って回る

ガタゴトガタゴト油の切れた音を上げて

それを止めようと次から次へと増えていく

小さな歯車が必死に逆回転しようとするけど

気付いた時には噛み合って回ってしまっている

止めどなく終わりも訪れないまま巨大化して

まるで与えられた役割をこなし続ける様に

メキメキバキバキと挟まる異物を砕いて

正義と悪の歯車は今日も噛み合い回る

■作者メッセージ
たったの一言でその歯車に組み込まれてしまう
傍目に愚かしくて止めようとしただけとしても
もっと争えとばかりに油をさしただけとしても

その光景は遠目に見てるだけで心が腐りそうなほど救いがない