隙間に埋もれた或る幸福の欠片

意図も無く はたまた意味も無く

其処に残った少しばかりの残骸は

刹那の愛が果てか 安らぎが果てか

果たしてもしくは油断の残り香か

形を得ていくのはいつだってエゴ

そんなつもりが無かっただけの

愛や幸福が形骸化した廉価品

過去を呪う気なんて無いのさ

選びも出来ない生と正の産声の陰で

同時にありふれた不幸も産まれてくる

何も間違えてない 誰も悪くない

有る物強請りな訳でも無いつもりさ

ただ ほんの少し憎んでいるだけ

安心と快感に酔って吐き出されて

死ねずに隙間に埋もれた欠片が

命と幸福を嫌って嫌われている

認められないだけ 誰だってそうだ

だから仕方無い その命に罪は無い

でも誰かの幸せを助けなさいなんて

そんな無責任に授けられた名前を

どうやって愛して 愛されればいいの

■作者メッセージ
お前を作る気は無かった
カラカラ笑いながらそう言われた日からずっと

私は私の名前と誕生日が嫌いだ
産まれてくる子に罪は無いなんて言葉も、嫌いだ