「産まれてくるんじゃなかった。」
今一つ 延々と胸の中にある自傷癖
いつからそう思ってたかは知らないけれど
初めてそう思ってから消えたことも多分ない

同情めいた悲劇なんて其処ら中にある
勝手に量って 他人よりマシだ辛いだと騒いで
だからなんだと どうでもいいさと
哀れな人間だなんて言われたいモノかい

生に重みを感じ始めて 相応の言葉を知っても
自分に言い聞かせる器用さは無かった
救いたい 救われたい 御幸せに 不幸だ
なんの為に 誰の為に 心は痛みを訴えるのさ

そんな鼬ごっこを繰り返したところでね
変わり映えしないなら どうだっていい
耳心地のいい理想語りは数多くても
他人の為に使われる言葉は 大して多くない

ペテン師がニヤリと笑い掛けてくる
この世の中は終始揚げ足の取り合いさ
お前の一挙一投足 目敏くじっくり眺めてさ
自身の安心を買うためにお前の不安を売るのさと

九割嘘でも 一割真実が混じる
欠片でもハマれば 疑心暗鬼は育つ
それが総てであるモノかと刃向かう心は生きている
なんてウザったい 死んでしまえよペテン師と

それでも結局殺せやしない ソイツは私だ
自殺に勇気は必要ない どこかに希望を求めてる
覆い尽くすような絶望が私には足りない
堂々回りに思い考え停まらず止まれず

「産まれてくるんじゃなかった。」
そんな私を絵の具に変えて 凄惨な絵を描く
なんの為に 誰の為に そんな事をするのか
分からない ただそう 感じるしかない

そんな自分を愛して憎んで苦しんで 楽しむのさ

■作者メッセージ
自分に吐いた嘘は、他人に吐いた嘘より遥かに質が悪い
嘘は嘘以外では隠せないから、どんどん嘘で溢れ返る
そうやって出来上がった自分なんて、誰より自分が信じれない

自分を信じれなくなってしまえば、世界は簡単に敵だらけになる