ポエム
[TOP]
大空トラック
晴れていたはずの空が
急ブレーキをかけてさんざ雨を降らせた
僕は傘を持っていなかったから
走って急いで家に帰った
家のドアは閉まっていた

窓を叩く音が
ちっともリズムに合わせてくれない
楽譜にかかれた音符は
その日はなぜかオタマジャクシ風に見えて
気持ち悪くていつもより少し強く弾いて終えた

空がカーブを曲がり損ねて
突然 雷がなったよ
僕は驚いてヘソを隠し
ひとりぼっちの部屋でちょっとだけ泣いた

指で触れても崩れない
積み木とはちょっと違う
僕のまちのビルとか家とかが
さんざ雨が降っているのに
家に帰らず
ずぶ濡れでじっと立っている
何かを待っているのかな
思わず家を飛び出し水たまりを蹴って走る

やがて少しずつ
さんざ雨はやんでいき
雲間からは光が見え隠れしだし
空は少しかすり傷を負っていたけれど
息を切らした僕らにプレゼントを運んできてくれた
22/04/23 18:52更新 / スオシ



談話室



■作者メッセージ
晴れが好き
ただ雨も好き

TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c