ポエム
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夢への雲海
雲海を歩く
肌を刺すような冷気を身に浴びながら、あの山へと向かう
雲を踏む感触に慣れたころに、烏が僕の顔を見つめる

お前にこの高さはまだ早い
大人しく地面を歩いて行け

そんな鳴き声が聞こえてくる
そんな気がする

嘲笑うかのように空へと舞う黒い羽が頬に触れて
自分の目指す山の高みを知る
自分の持つ能力の低さを知る

僕にはまだ早い
だから今日はもう諦めようか

そんな声が聞こえてくる
そんな自分がいる

でも、見てしまったのだ
あの山の幻想のように美しい姿を
夢にまで現れるあの理想を
過ぎた夢だとしても諦めきれない

冷えた足で雲海を歩く
震えながら、恐れながら、あの景色を見るために

気づけば、烏は消えていた


20/10/21 19:32更新 / 気ままに



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