ポエム
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カボチャの拍手
あなたは人間? それともカボチャ?
いよいよ僕の演劇も19年を迎える
最初は失敗だらけだった

台本読めず 空気読めず

友達に仲間外れ いつでも独り芝居

親にも糸を切られかけて 宙ぶらりんリン 

恥の多い演劇だった
でも 不器用であがり症な僕が念じたマジック

「人をカボチャにするマジック」

ほら こうすれば 世界に人間は僕だけ
誰も僕に拍手も罵倒も送らない my world

「親も友達もカボチャにしちゃおう!」

僕の視界にいるのはカボチャのお化けだけ
カボチャのパーティから遠ざかって、僕は独りご飯を食べる

意地悪な悪役のいない演劇

人と関わらない最高のマジック
bad endもhappy endもなくなった舞台

「人と距離を取るマジック」

あれ 理想の人生のはずなのに
なぜ カボチャスープが飲みたくなるのだろう?
味噌汁を飲んでも冷えた身体 零れる涙は本物

「人と関わらないことがこんなに辛いなんて…」

涙でぼやけながら教室を見つめる僕
マジックは解けて カボチャは消えた
あの談笑する人達を羨みながら 鏡越しに自分を見る

あなたは人間? それともカボチャ?


教室に入る僕を 隣の子が見て微笑む


20/09/11 00:41更新 / 気ままに



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