僕は、皆を喜ばせたい
涙が出るほどに笑ってもらいたい
涙が出るほどに嗤ってもらってもいい

皆の表情を見てみたい

ピエロは笑顔を生み出すというお話
なら、僕もそれになろうというお話

金魚すらも救えない
不器用な僕の大道芸

ジャグリングが成功すれば
皆は笑ってくれるのだろうか？


しかし悲劇
不器用な僕の大失敗、額は血だらけ

顔をあげた
僕を見る皆の表情は恐怖だった

ピエロは恐怖を生み出すというお話
なら、僕のしてきたことは無駄だというお話

人よりも前に出れば、蔑まれて
人よりも後ろにいれば、孤独に縛られる

いつからピエロは、恐怖の対象になったのだろう
ホントは、皆と笑っていたいだけなのに

狂っていると決めつけられた哀れなピエロの
両目に浮かぶ青い涙

ピエロと僕は静かに嗤った