夜に彷徨いたくなって
スマホを置き去りにして町に出たら
夜の吐息が僕の耳をくすぐった

夜に寝かしつけられた人々は
今どんな夢を見ているのだろうか
夢なんて見ていないのだろうか

子供の頃のように、夢を見るために寝てはいないのだろう
そういう僕も、羊に会っていない
夢には絶縁された

夢に会えなくて僕は夜に誘われる
暗くて不思議な夜は、夢に似ていたから

明日を生きるために
心を癒してくれるものが欲しい

夢のない僕は夜を彷徨い
何かを探している

暗闇の中見えないだけで
大勢の人が彷徨っている

あの人もこの人も朝は笑っているのに
顔なんていらないぐらい無表情だ

夜に僕たちは彷徨う
僕らは夜に何を求めているのだろうか


夜は答えない