また今度
いくら後悔したとしても
あの日が戻ってくるわけじゃない
あなたが帰ってくるわけじゃない
また今度があるわけじゃない
私のことを一番可愛がってくれた祖父が
帰らぬ人となった
よく手を繋いでくれた
祖父の手を離したくなくて
“また今度ね”母が言う
祖父の病室で母が言う
“最期に手を繋いであげて”
でも繋げなかった
あれだけ離したくなかった手を
冷たくなってしまったことを知りたくなくて
もう目を開かないことを受け入れたくなくて
最期になるのが怖くて
何年経っても
小さな飴玉が喉にいるようで
溶けきれずにへばりつく
また今度はもう来ないのに
あの日が戻ってくるわけじゃない
あなたが帰ってくるわけじゃない
また今度があるわけじゃない
私のことを一番可愛がってくれた祖父が
帰らぬ人となった
よく手を繋いでくれた
祖父の手を離したくなくて
“また今度ね”母が言う
祖父の病室で母が言う
“最期に手を繋いであげて”
でも繋げなかった
あれだけ離したくなかった手を
冷たくなってしまったことを知りたくなくて
もう目を開かないことを受け入れたくなくて
最期になるのが怖くて
何年経っても
小さな飴玉が喉にいるようで
溶けきれずにへばりつく
また今度はもう来ないのに