ポエム
[TOP]
「悲しくなる」季節に音楽。

「悲しくなる」言葉を履き違えて使っていた。ノスタルジーの明るい音楽に「悲しさ」を感じるのはなぜ。永遠の時を求めて光を突き破る。言葉の意味。本当の「悲しい」を知らずに生きている気がして、オールドファッションの音楽を聴いて半年前を思い返す。数秒のイントロはあの頃に連れていく。冬の匂い、雪の景色、不安の浮遊感、人気のない哀愁の漂う山道、言葉のない気持ち、人の優しさに触れる前の寂しさを、全て「悲しい」言葉で片付けてしまうには勿体無くて、だから多くの言葉を使ってこの気持ちを詩に込めて歌い続ける。いつか僕に「悲しい」を教えてくれるまで、ずっと歌い続けるんだ。その頃、外の景色をかき消す深い青い夏の色、冬の白色をかき消す色は、僕の涙さえ染めていた。
24/08/08 02:28更新 / 雨、黎(アメレイ)



談話室



TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c