白夜行
「君は酒が入ると急に饒舌になるよね」
なんて大人っぽいコト言ってみたりするけど
第一、僕はまだお酒は飲めないし
君も同じく飲めない、未だお子様なので
まぁどっちかというと、うねりをあげる街に
飲み込まれそうになってる僕ら
逃げようとするけど、無駄だって知ってる
案の定捕まっちゃって足掻くけど
気づけば耳元で時計が騒いでる
燃えるゴミ、燃えないゴミ
昨日と今日と一昨日は燃やせないゴミ
間違って燃やしたりでもしたなら、最後
目に染みて明後日の方向なんて見えやしない
もっと遠くへ行こうか
必死に手を伸ばしても
指のほんの先っちょすら届かない場所へ
もっと果てしなく歩いていこう
無人島に持って行き忘れて
慌てふためいたものは君の声だ
「終末はいつかねぇ?」
やっぱりノストラダムスは嘘吐きだ
世界が終わらなくたって
とにかく僕らは2人だけの世界を待ってた
静かな夜だと言っていたくせに
なんでこんなにも騒ぎ立てる僕の中
メトロームに合わせて飛び跳ねてくれよ
きっとこの心臓、君の分まで
いっそ2つの心臓、時が止まるのを待って
肌と肌の温もり、湿っぽさとか
きっと死に際にも思い出して泣くんだろう
きっと走馬灯も救いようのないほど
つまらないんだろう?
もっと遠くへ行こうか
必死に目を細めてみても
より見えなくなりそうなあの場所へ
もっと果てしなく歩いていこう
夜に飲み込まれるぞ、
光へ、往く
逃げろ、逃げろ、逃げろ、逃げて、ねぇ
転んでも立ち上がれ