ポエム
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夜に祈る
私が少女だった頃は
罪を犯した人のために
報われない人のために
祈りを
捧げながら
空虚な夜を
過ごしていた

いや、空虚な筈はないのだ
祈ることこそ
何もできなかった私には
全てだった

今どこかで泣いている
そう、私と同じような
子どもを想像しては
幸せと平安を祈った
そうすることで、世界中の不幸な人々と
少しでも悲しみを分かち合い
精神的に繋がれるような気がした
私は肉体的なエネルギーを持ち得なかったから
祈りは私が持っている
唯一のエネルギーだった……

そして私は今日も祈る
辛い時は祈る
ピアノを弾きながら
祈りを音に乗せる
暗い天井を見つめながら
遥か遠くの天に想いを馳せて
どの宗教かなんて分からなくても
きっとどこかに全てを救う神様がいると信じて、祈る
22/07/15 00:33更新 / らん



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