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あこがれ
一点の曇りも無い、完璧な自分でいたいと思った。
なぜなら、私が今まで好きだった人は
皆すべてが完璧だったから。

自分についての心配事や汚点が、一個も見当たらない姿で歩きたいと思った。
そのためにはまず
お手洗いに行ったら必ず石鹸で丁寧に手を洗うような
小さな小さな当たり前のことから始め、

靴のヒールまで汚れがないようにしたり、
鞄の中を綺麗に整頓したり、
自分のお皿は全部自分で洗ったり、
日々の生活で出来ることは手を抜かないようにした。

小さなことを積み重ねれば
少しずつでも完璧な自分に
近づいて、愛されると思った。

ただ、自分自身が完璧にならなかったからといって、
自分を軽蔑するようなことも
ないようにしよう、と思った。

失敗したり、妬んだり、馬鹿だったりといった
自分の醜い部分を嫌うのはやめようとした。

あの人はそれを望まないからと思った。
それを含めても、一点の曇りもない最良の自分でいたい。
22/05/18 01:07更新 / らん



談話室



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