ポエム
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ラ・ブ・レ・ター
拝啓
唇がトキメキ腫れ上がる候
貴方はいかがお過ごしですか?
今は夏ですか?冬ですか?秋ですか?春ですか?
お天気は雪ですが?
トンボをいくつ食べましたか?眠りましたか?
まだムショにいますか?それとも娑婆の空気は美味いですか?

私は、折れています。
果てしなく折れている。
ポキッとな!
ムショ暮らしは快適ですか?めきめきですか。
犬は交尾をし、風は語りかけます。
貴方は明日死ぬ、と。

でも別に関係がないですよね。
だってもうあんたは死んだようなものなのだから。
私は実はもう死んでいるんですよ。
貴方のような人を好きになって、
貴方のような人に恋をした時点で、
私はもう死んでいるんです。

誰か私を虹の裏に連れ戻してください。
貴方と私を虹の裏に、連れ戻してください。
そうしないといい加減、キャベツの微塵切りすらできないでしょう。人参の短冊切りなんてもっての外でしょう。

面接で親の家事をいくら手伝ってるか聞いて、入学式までにりんごの皮むきを5回やれとかいう
私立女子校なんてうんざりですよね。
私は早く泉の中に沈みたい。
自分の話ばかりしてごめんなさい。
これは私の呪いなのです。
貴方だけに初めて話す、
私の呪いです。

早く私を虹の裏に連れて行ってください。
そのままガトーショコラとファイヤスプリングで
フォンダンショコラを作って
一緒に死んでくれませんか?
この世は生きるか死ぬかで、
ここは戦場です。
生きる限りここは戦場なのです。永久に、私も貴方も戦い続けなければなりません。
己の呪いと。

どうしますか?
21/12/15 22:10更新 / らん



談話室



■作者メッセージ
これは、好きになってはいけない人を好きになってしまった、自分への「ラ・ブ・レ・ター」です。

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