猫が乗り
私の腕が乗り
鍵盤が押されていく
部屋の隅にあるキーボード

ランダムに
無数の
音が溢れてく

濁った
意味のない
音の羅列が
ごちゃごちゃな
ピアノ
ストリングス
シンセサイザー
ギター
パーカッション
ハモンドオルガン

不協和音が
生み出され
一瞬、止まったと思うと
また生み出され

噛み合うはずないもの同士が
似合うはずのないもの同士が
重なり合って
意味のない音楽が生まれる



向こうでは
誰かが押してる
また猫が押してる
机のキーボード

ひらがな
カタカナ
アルファベット
abcdefg
大文字小文字
記号

ランダムの
意味のない
感情のない
めちゃくちゃな
文字の羅列が
吐き出されていく

言葉にならない言葉と
音楽にならない音楽が
生まれていく

そこに秩序はない
意味もない
　



なのに
そんな秩序のない世界に
掻き乱されてしまう
そのまんまの
原始の心が

混沌とした無意識そのものが
頭に直接響いてきて
目が回る



静かな部屋にはカオスの歌が鳴り叫ぶ