ポエム
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交差する世界
いつもみたいに朝日が昇り
珍しくゆったりと起きられて
今日の朝ごはんは 大好きなあのパン屋さんの
卵サンドイッチだぞ、と
コーヒーを淹れながらちょっぴり嬉しく思う日、

インターネットの世界から
口論が始まる。

画面の向こう側では、
実は恋人との別れ話が続いていて、
現在進行形で

上司からのお怒りなメールにも
返信していなくて

私は別れ話している。
上司に土下座している。
初夏の窓辺
今、サンドイッチを口に運びながら。


世の中は普通に続いているのに、
世界はいつも通り回っているのに、
私はこうして朝食を摂っているのに、

おかしいな、
おかしいな、
今も骨肉の争いの中にいるなんて。



現実世界にいたら
仮想空間に引っ張られて、
自分の世界にいたら
社会空間に引き込まれて、

境界線がどこなのか
わからなくなってきた。
自分がどこの国にいるのか
わからなくなってしまった。


あまり強く引っ張らないで欲しいな、
自分の世界から急に社会に呼び出されると
体がちぎれちゃうのよね。

渦にいるのか、
二つの沼に引きずられてるのか、
それとも、
私の存在は
現実、ここにいるただひとり
なのかな…


泣きたくなった、そんな痛みに。
苦しかった、この不確かな空間が。
矛盾が。
引き裂かれる自分の弱さが。

境界線の迷子の中で
どんな感情でいたらいいのかすら、
わからなかった







それでも世界は回る。



20/05/25 02:00更新 / らん



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