ポエム
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春色の小悪魔ワンピース
あなたとのチャットにさよならをしてからおよそ3か月。
やっと少し笑えるようになってはきたけれど、
私の世界は、また以前のようにシーンとして誰もいなくなりました。
「春になったら、車椅子で一緒にお散歩に行こう」
あなたが、誘ってくれたから、おもいきって用意した春色のロング丈ワンピース。身体のラインに沿ったシルエットにまとわりつくテロンとした素材。レースをあしらった胸元は、深めのVネックで、紳士を誘惑しようとする小悪魔の魂胆が、まる見えです。
クローゼットでスタンバイをしたままもう雨の季節に。
暑い夏を超えて秋になったら、試着をしてみようかしら?
春色のワンピースに袖を通して、お化粧をしたら、きっとあなたが迎えに来てくれる。「おまたせ」とけらけら笑ってあなたが抱きしめてくれる。そんな夢を見ていたいから、
もうしばらくこっそり、あなたのことを好きでいたいの。
「まずは、ハグからだね」以前、ビデオチャットでお話をした時にささやいてくれたあなたの声は、少しハスキーで甘かったから、
私にも甘い時間がやってくるのだと思い込んで、あなたのことを想っては、キラキラしているつもりでいたの。何も望まないし、期待もしない。
私は、わりとお利口さんだったはずなのに。今までにもいくつも恋をして、もう恋のかけひきだってわかっているはずなのに。
どうしてあなたのことになるとダメなのかしらね。
20/06/21 21:33更新 / ポロンミミ



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■作者メッセージ
チャットルームの恋の続編を書いてみました。

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