ポエム
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優しくありたい
愛がたらないねえ。嫌いな人を好きにはなれないけれど、愛する事はできるだろう?少し笑いながら私達を戒める。20代の頃に勤めていた会社の社長さんの口癖でした。社長さんは、老弱男女どんな人の話にでも耳をかたむける。困っている人があれば、いつでも東へ西へ駆けつけるような人でした。経済に明るかったので、企業の経営相談から、個人的な恋愛相談まで。取引先との会議の前も後も社長さんの周囲には、人だかりができていました。いろんな経験を積んで、大人になったら、社長さんのように考えられるようになるのかしら?そう思っていましたが、不思議ちゃんの私にとっては簡単な事ではありませんでした。社長さんは、男性の厄年で、急死してしまったので、私は、とっくに社長さんの当時の年齢を超えて大人になりましたが、相変わらず、好き嫌いがあって苦手な人には心を開かず、気に入った人には、同じ銀河系の出身だとかわけのわからない話を持ち掛け、地球での暮らし方について話し合ったりする始末。身障者になったおかげで、感謝する事を学び、
苦手だった人も含めて、今まで私と出会ってくれたすべての人に、感謝することはできるようになりましたけど、街を行きかう顔だけの人間達。私の頭の中では、心をつかわなくなった人達のカラダは、いつの間にかなくなって、顔だけになってしまいます。

街を見渡せば、顔だけの人間。
あたたかなカラダは、遠い記憶の果て。
街を行き交う顔だけの人間。
アスファルトをたたき割って、土を感じたい。

どうして?どうして?痛い痛い言葉を投げるの?
間違いだらけと叱らないでよ。
時代は、動いている。
血が噴き出すほど叫び続けても、何も変わらない。
優しくありたい。優しくありたい。







20/07/22 18:40更新 / ポロンミミ



談話室



■作者メッセージ
最後に書いた詩は、昔歌っていた頃の「顔だけの人間」というタイトルの歌詞です。ゆったりとしたバラードのような曲でしたが、かなり、叫んでおりました。

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