ポエム
[TOP]
初恋
初恋の人の定義が、よくわかりませんが、
もし、初恋の人が、

生まれて初めてドキドキと気持ちがときめいて、心が動いた人
だとしたら、私の場合は、
幼稚園のクラスメイトだったM君になります。
私は、クラスで一番小さい女の子で、
M君は、一番小さい男の子でした。
幼稚園では、整列する時は、いつも
背の低い順番に、並んでいましたから、
私達は、いつも一番前のパートナー。

入園式で、手をつないで一緒に、桜の花を見上げて、運動会で、一緒にお遊戯を踊り、
手をつないで万博博覧会へ遠足にも行きました。
M君は、黒目がクリっと大きな目をしたキラキラしている男の子でした。
いつも楽しそうにゲラゲラ笑っていて、元気で、明るい、そして優しい
男の子でした。走るのが、速かったので、園庭で鬼ごっこをするときは、いつも私の手を引っ張るように、走ってくれていました。みかん狩へ行った時には、自分もカラダが小さいのに、私の荷物まで、持ってくれていました。M君の自宅は、かなり私の自宅からは、遠かったですが、同じ校区内だったので、同じ小学校へ入学。しかも1年生は、同じクラスに。心強かったです。私は、2歳上の姉や隣に住んでいた幼ななじみと登校していたのですが、親の言い付けで、隣の幼ななじみの男の子と手をつないで、登校をしていたので、クラスメイト達から、毎日のように、「ミミとサトシは、あつあつやからな!」と冷やかされて、黒板中に、相合傘を書かれていました。するとそれをM君が、黙って、一生懸命、消してくれていました。2年生も、クラス替えはなかったのですが、2年生に進級してすぐ、我が家が、引越しをすることに。先生がクラスで、「ポロンミミさんが、引越しをすることになりました」と発表をしてくれた時、私は、絶対泣かない!と決めていたので、泣かずに、ぐっとガマンをしていました。でも、こみ上げてきて、泣きそうになるのをこらえて、なんとか、姉が待つ校庭へ。待ち合わせ場所に行くとM君が、走って来て、大きな声で、「ポロンミミ、引越しするねんて!」と叫んだので、ずっとガマンしていた想いが、あふれて、わあーん!と大声を出して、泣いてしまいました。別に、いじわるなことを言われたわけでもなかったので、私の姉が、閉口して「なんで、泣くの?突然泣いたら、びっくりするやんか!」と私を戒めた。それからM君は、一度帰宅をしてから、自転車で、私の自宅まで、あやまりに、来てくれました。「ミミが、大声で、泣くから、可哀そうに、M君、わざわざあやまりに、来てくれたやんか!と母に事情を説明する姉。引越しトラックが、すでに待機をしていたので、私の母に、あやまってくれてるM君を見ながらも私は、すぐに、トラックに乗り込んだ。トラックが大通りに出てから、後ろを見るとM君が、精一杯、小さなカラダで、手を振ってくれている姿が、見えました。だから私は、トラックの窓から、カラダを乗り出して、私も精一杯、M君に、手を振りました。だんだん、M君の姿が小さくなっていくのが悲しくて、運転手さんがいるのも構わずに、号泣してしまいました。まだ7歳だったので、これが恋という気持ちだときづかないままのお別れでした。時々、古いアルバムを開いて小学校の入学式の集合写真を目にすると、まだあどけないM君の姿を見て、ほっとします。どんな人生を歩んで、どんな大人になっているか知りたい気持ちは、ありますが、彼は、きっと、私の中では、永遠に、子供のままで、永遠の王子様でいてくれるのだと思います。
21/08/01 22:44更新 / ポロンミミ



談話室



■作者メッセージ
時々、思い出す初恋の人の事を思い切って、書いてみました。

TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c