私が脳梗塞で倒れ、術後左半身麻痺となり、リハビリ入院をしていた時、
古い友人から、メールが届きました。
関西圏から離れて遠方へ嫁いだ順ちゃん。
まだ、子育て中の母で、自分の生活だけでも大変なはずなのに、
私のお見舞いに来てくれるとの連絡でした。
順ちゃんは、20代の頃、毎日のように待ち合わせをして、
何時間も恋愛や仕事の事について一緒に悩み
考えてくれた大切な親友でした。特別美人ではなかったけれど、
菩薩様のような優しさやあたたかさをもち、
好奇心旺盛で、いつもキラキラしている個性的な女の子でした。
どんな大人の女性に成長をしているのか会うのが楽しみでした。
でも順ちゃんは身障者になった私が、自分に会いたくないのでは？と何度もメールで、気遣いをしてくれていました。
訪れてくれた順ちゃんは、すっかり、大人の女性に成長をしていましたが、相変わらずキラキラしていて穏やかな笑顔が素敵でした。私は車椅子で庭へ出て、話をすることに。順ちゃんが、購入してきてくれたチョコを食べながら、
あれもこれもと夢中になって話をしました。
その数日後、順ちゃんから、また連絡がありました。
お見舞いに行ったのに、お見舞いを渡し忘れたから、郵送するとの連絡でした。そんなのいいよ！と思いながらもうなづくと数日後現金書き留めが届きました。開けてみるとピカピカの五千円札が、入っていました。
きっと一万円札をいれられなかった精一杯の順ちゃんの五千円だと思うと
申し訳ない気持ちとこれだけ自分のことを想ってくれる友人がいてくれる歓びで、胸が一杯になり、涙がとまらなくなりました。この順ちゃんの想いがこめられた五千円は、とても使えないので、今は宝物として大切に閉まってあります。いつの日か順ちゃんの想いにこたえられるくらいに、ここぞ！という時に使わせてもらうつもりです。順ちゃん、ありがとう。






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■作者メッセージ
遠方に嫁いだ大切な友人の事を書いてみました。