ポエム
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僕はなんて幸せなんだろう
真っ暗な夜に日差しが差した
僕はまた朝陽を見ることができた

なんて幸せなんだろう

一昨日は右腕と左足にアザができた
昨日は吐血が止まらなかった
今日はきっと右足が折れる

僕はなんて幸せなんだろう

今日は左腕が折れただけだった
まだこの地を足で踏みつけることができる

人は僕にこう言う
『かわいそうだなぁ』と

いいや、僕はかわいそうじゃない

だって足じゃなくて腕が折れたんだよ?
凄い幸せじゃないか

次の日
両足が折れた

僕はなんて幸せなんだろう

まだ利き手の右腕が使える

人は僕にこう言う
『つらいよね』と

いいや、僕はつらくない

だってまだ利き手が折れてない

次の日
右腕が折れた

なんて僕は幸せなんだ

芋虫のように体を使えばいいじゃないか
僕はなんていいアイデアを思い付くんだ

人は僕にこう言う
『こんなにはなりたくない』と

僕はそんなことを言われても悲しくなんてない

だって僕は幸せだから

次の日
僕の背骨が折れた

動けない

僕はなんて幸せなんだ
体が動かなくても目で景色を見て耳で音が聞こえるじゃないか

人は僕にこう言う
『なんて不幸な子なんだ』と

やめてくれ

『不幸』なんて言わないでくれ

僕は無理にでも幸せを感じることで

僕はこの人生を、今の現状を受け入れることができた

『不幸』は僕の一番嫌いな言葉だ

なのに今日に限ってみんなは僕に『不幸だ』と言う

この一日が人生で一番辛かった

最後の日
僕は死んだ

僕はなんて幸せなんだろう

もう苦しむ必要がなくなった


もう『不幸』だなんて言われる必要がなくなった
16/08/20 21:29更新 / 下降気流



談話室



■作者メッセージ
幸せと不幸の基準は人それぞれだよね

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