ポエム
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恥ずかしい詩
かっこいいを見たとき、かっこいいと感じている自分が幼稚で恥ずかしくてたまらなくなります。それは自分に自信がないからで、自分はまだまだ子供だということを痛感するのです。

私はかっこつけたがりなので、何よりも恥をかくことが嫌いです。
皆がかっこいいというものの真似事をして、どんくさく不器用な私が惨めに行動して、失敗をするのがたまらなく恥ずかしいのです。

世間一般でかっこいいと呼ばれるものをひたすら真似しているだけなので、自信というものはみじんも存在していません。

面倒なことに、私は天邪鬼なところがあるので斜に構えてしまうことが度々あります、それは世間一般からはそれたことなので実際のところ、不安で不安で仕方がないのです。

またまた面倒なことに、私は嘘つきです。
積み重ねてきた嘘はもうごまかしようがないので、貫くしかないのです、積み重なった壁はとても不安定です。それでも壁は壁で、こちら側の私はあちら側からしたら見えないのです。

その壁にたまに穴が開きます。外部からの物なのか、はたまた自分が誤って開けてしまったものか分かりませんが、穴が開きます。

壁の内側には
惨めに隠れる、小さな虫のような自分がいます。
それを見られるともう、それはあまりにも恥ずかしくて恥ずかしくて、涙が出るほどひたすらに恥ずかしいのです。

涙は私が最も嫌うものの1つです。力加減が苦手な私は、人をよく泣かしました、全くもって傷付けようだなんて気持ちは無かったけれども、どれだけ相手が悪くても、どれだけ自分が傷ついたとしても、泣かれてしまうともう立場はありません。

自分は強がりなのですが、かなり涙脆いので、少し傷つくとすぐに涙が湧きだします。不格好に腫れる顔と、情けなく震える自分の声が好きではありませんでした。

涙に触れると、壁はいとも容易く崩れていきます、壁が崩れれば崩れるほど、岩の下に隠れる名前も分からないグロテスクな生物のような私の姿があらわになるのです。

それは耐え難い屈辱です。

私には釣り合わない高すぎるプライドが音を立てて崩れ始めるのは誰がどう見ても、哀れで、惨めだと思います。

そんな自分が、ろくに努力もせず、かっこいいをかっこいいと思うのはとても愚かな子供のようでひたすらに恥ずかしいのです。
21/03/17 18:51更新 / 1026



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