ポエム
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貝殻
朝なのか明るい
白く靄がかかった海岸を歩いている

だいたいは白色で様々な形の綺麗に整った形の貝殻を数メートルの間隔で拾っては眺めた

抱えきれない数になり
ふと前を見ると立ち止まっている人がいた

あれはわたし?

白く美しい貝殻は時には壊れ大きさも形も様々だ

貝殻は死体のようなもの
生物が死んだ跡か脱ぎ捨てられた不要物
そのうち砕けて砂となる

またふと気づくと一人ぼっち
私は最初から一人でしかいなかった
手には抱えきれないほどの大小様々な貝殻があった

生まれるときも死ぬときも一人ぼっち

後ろを振り返るとまた貝殻がある
ひとつとして決して同じ大きさ形はないのだ

心地よい潮騒に包まれながら貝殻を手に取り眺める


確実に光輝く未来には歩んではいるんだけど
ちょっとくらいたまに振り返って想い出に浸かってみてもいいのかな


21/12/02 22:56更新 / 山川森佳



談話室



■作者メッセージ
つい、過去に戻ってしまう時がある。

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