ポエム
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亡き王女のためのパヴァーヌ
セピアの夕陽は
慎ましい庭を抱擁し

柔らかな光は
辺りを曖昧にぼかす

庭を見やる 少女がひとり
仄かに輝く ブロンドの髪

手紙を読む 婦人がひとり
窓辺に佇む 密やかな影

羊皮紙に落ちる 涙の粒
実らなかった 初めての恋

私の想いを拒んでも
どこまでも優しい人

そんなあなただから好きになった

涙が溢れ 嗚咽が漏れる
息が詰まり 崩れ落ちる

こんなにつらいのに
胸が熱いのはどうして

あなたは振り向いてくれない

でももう少しだけ
あなたのことを好きでいさせて
21/05/23 19:57更新 /



談話室



■作者メッセージ
ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」を聴いて、頭に浮かんだ情景や心情を言葉にしてみました。

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