ポエム
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よく来たんちゃ!
ホーホーホー!
遠くから
よく来たんちゃ!

高い声出して
赤いほっぺでにこにこしながら
いつも出迎えてくれた母方の祖母

夏休みや冬休みっていうと
田舎のおばあちゃんちにいつも泊まりに行ってて

お腹すいたって言うと
塩っ辛い漬物や手作りの味噌で
炊きたてのごはんの海苔巻き作ってくれて

つきたてのお餅で餡を包んだ大福とか
蒸して作るきりゆべしとか
ばあちゃんの作るものはなんでも美味しくて
食べる度に元気出た

トトロの映画みたいな夏休み
ニワトリ小屋で産みたての卵を収穫したり
畑で採ったばかりのトマトやキュウリを食べたり
茹でたてのとうもろこしやスイカや甘さあっさりのメロンも
じゃがいもやさつまいも、人参、キャベツの収穫はちょっと遠い川の近くにあった畑まで
自転車でいっしょについて行って
強い陽射しの中で川の音を背中で聞きながら

ゲームもマンガも携帯もなかったけれど
とても楽しかった

家の周りが田んぼだったからあるから
カエルの合唱もすごかった
夏の夕暮れにカナカナ鳴くひぐらしの声も
トタン屋根にぶつかる夕立ちの雨音や
時々鳴く牛の声やでっかいアブの羽音とか

稲刈りの時期は刈った稲を干して
太陽の香りがする稲わらとか
やたら飛んでた赤とんぼとか

雪が降ると外の音が消える冬
冬の薪ストーブの窯のお湯が沸く柔らかい音とか
薪がパチパチッて爆ぜる音も
屋根からズドドドって落ちる雪の音にびっくりして
目が覚めたり
遠過ぎてちょっと怖かったトイレも


記憶の中のばあちゃんはいろんな風景や
音や匂いや味の中で
いつでも笑ってる


24/06/17 11:18更新 /



談話室



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