ポエム
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博物館
ある街の博物館に展示していた昔の写真を見ていたら昔のブルマ履いてた大勢の子供達の運動会の写真があって

数年前に亡くなった嫁ぎ先のおばあちゃんの話を思い出した

夕食時に一緒に食べてた曾孫の手を見て自分も昔はすべすべだったのにしわしわになっちゃったって言いながら


私がこの年頃の時にはね、みんな、かぼちゃみたいなブルマを履いて
運動会してたのよ

あ は は は は は



戦争始まる前の
大正生まれ

昔大学病院の看護婦をしていたの

昔のことだったから看護婦になるために
夜は暗くて、見えないからみんなで街灯の下まで行って
そこで同じ学校の子と教科書開いて勉強してたんだって

でも私は目が悪かったから
眼鏡を掛けてて
その眼鏡がね、牛乳瓶の底みたいな厚さの
眼鏡だったのよ と眼鏡の形を指で作って見せながら

あ は は は は は


頬を紅潮させて笑ってた

博物館には
当時の看護婦さんの写真もあったから
もしかしたら…と思いながら

自分の生まれるずっと前の乙女の話

しわしわの手がつるつるすべすべだった頃の話 

でも
ほほ染めて笑う姿は乙女だったよ
おばあちゃん
24/06/12 15:43更新 /



談話室



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