ポエム
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深い呼吸をして。
午前五時前の空でとんびが鳴いていた

あの遠い窓の中 きっと幼い私が眠っている

起こしてはダメよと とんびに告げると

とんびはちょっと残念そうに 屋上の向こうへ消えた

午前五時前の空はまだ 白く霞んでいる

信号機 街灯 知らない屋根と路上駐車

大きく息を吸い込むと 肺の中の夜がすうすうと

朝の空気に紛れて溶けだした

三階の窓から眼鏡を投げ捨てて

寝癖のついた髪をやわらかく指にからますと

信号機は目を覚まして 空が青く晴れていった

午前五時前の空にゆっくり指を伸ばすと

風が吹き込み 四角い部屋の中であたらしいいのちがはじまる



20/06/07 05:04更新 / ヨルノアサヒ



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