ポエム
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わたしとわたし
この罪が赦されたら何処に行こう。



視界の先をすり抜けて、飛んでいく鳥が十字を切って、
膝をついてこうべを垂れても、
何処かで許されないことを知っていた。



人皮装丁の聖書を屋上から投げ捨てて、
絡まったツタに撃ち抜かれたあの子の、
心臓からこぼれ出た正義を、私はかぶっている。



一日三度のお祈りで、
わたしがわたしを許せたら、
地獄のあの子は微笑んでくれるの?



痴れた回路を繋げては、
廃棄を回避しているコンピュータ、
この世界が偽りでも、
プラスティックなその目で見透かしてみせて。



針の進まない時計をいつまでも持っている。
夜中に聞こえる賛美歌に、シスターはチッと舌打ちをして、
窓の外では、テロリズムの鼓動が速くなり、
わたしはそれを知っていながら、
神の血をぐいっと飲み干した。
朝が来れば、この長い自問自答だって終わるから。



この罪が赦されたら地獄に行こう。
切符を買って着のみ着のまま、
わたしひとりあの子のいない地獄に行こう。



20/04/11 22:41更新 / ヨルノアサヒ



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