ポエム
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星空
「オリオン座って、もうすぐ、無くなっちゃうんだよ」

 その人は昔、僕に、そう教えてくれた。

 そんな言葉を頭の片隅に置いたまま、僕は、真夜中過ぎ、望遠鏡を担ぎ、いつもの場所に足を向ける。

 そして、街の明かりが見下ろせる、いつもの場所に着くと、宙を眺めた。



 見るのは、月や、火星や、土星でも無く、少しでも空が曇っていると、全く見えなくなるような、遠くの星々。


 おおいぬ座のシリウス。
 こいぬ座のプロキオン。
 おうし座のアルデバラン。

 そして、オリオン座のペテルギウス。


 どれもこれも、今は隣にいない、あの人に教わったものだ。


 今も同じ星空を、眺めているだろうか。

 ただ、僕にしては、この時だけが、同じ時を共有している様に感じた。
21/05/17 00:55更新 / オトノツバサ



談話室



■作者メッセージ
 天体望遠鏡って、手動のやつは、合わせるのすっごっく大変なんですよ。

 火星ですら中々つかまりません。

 星座の詳しい人なら、この季節にこれ? っと思われるものですが、ちょっとオリオン座を使いたかったので。

 それと、香弥さま、こちらこそありがとうございます。
 すっごく嬉しかったです。
 また、こちらからもお邪魔いたしますので。

 ではまた。

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