ポエム
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いつかの海
 いつかの海。

 覚えてるかな。

 あの時、一緒に歩いたよね。

 まだ、少し春先の穏やかな浜辺。

 空は陰りが見えだし、辺りには誰も居なく、二人の長い影だけが一緒に歩いていた。

 その影も、もう少し気を使って離れてくれれば、二人っきりだったのにね。

『ここに居ると、四季がはっきりわかるんだ』

 キミはそう言って笑ってた。

 海はいつも静かではなく、自然の厳しさが良く解る高波の日もあり、静かな日は、ウミネコの声を聴きながら目を覚ます。風の吹く方向で、潮の匂いが変わっていく………。

 そんな日常。

 それを言葉にしたくて、キミは旅立った。

 ねぇ、知ってた?

「あれ、わたしの初デートだったんだよ」

 キミはもう、ここには戻らない。

 でも、わたしはここから離れない。

 だから、たまに………あなたの夢に隙間が出来た、たまにでいいから、思い出してほしい。

 ウミネコの鳴く、この浜辺を。

 その時は、隣にいる誰かを想って。
21/05/11 23:58更新 / オトノツバサ



談話室



■作者メッセージ
 イメージは平塚の方かな。
 リゾートからは離れた、夕暮れの浜辺。

 詩と呼べるものかは分かりませんが、今はこれだけ。

 では、またお会いしましょう。

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