「福」という櫓
福という字のつく地名は多い
品座の人ごみのようにあちこちで
ちくたくと犇めいている
福井福岡福島 県名だけでもみっつある
福の紋様みていると櫓の形ほうつふする
積み上がるもの つみあげるもの
罪アガるといえば高のじも豊もじも
そんな 意 味 a g eだ
高松高崎高山高岡高田 たかたかたかたか
豊橋豊田豊川豊明 愛知県には豊の
刻みが沢山ある トヨトヨトトヨヨット
まるで海底でゴロゴロ寝転んでいる
黒ナマコのよう
それ友も 揶混ない蝉ミシグレ?
ようは大勢の人力と人徳人智を騒動員して
H×2らOちら艱難苦労して築くのが
福だ豊だはたまた徳だということだろうね
それらを総括して高貴と締め括くる
そんなとき永い時代を歴て愛される地名は
櫓らにも たくさんの想いという飾りに
綾どられた矢車御輿しにもみえてきて
驕奢贅沢なかんかくカンカン拭えない
福にしろ豊にしろついでに富の字にしても
おおぜいの衆との享有するこころの
国の冠まに積み上げられる城郭であり
燦然とした天守なのである
さあ最寄の櫓の見晴しに起って
郷渡の山河を一瞥みようじゃないか
掌を振り仰ぎその指の象くる輪の内に
たくさむの人生つつんで 響 命 しよう