赤ちゃんの脳が観てる
人に抱かれた赤ちゃんが
乗合せた車両の中で
わたしを視ていた
くりくりふりぷり
粒らな瞳で興味深そうに
何時までも見つめていた
そのうち赤ちゃんの皮ふのなかに
沈められたちいさな髑髏もだぶって
視えてきた ねえっアンタ
いったいなにに関心懐いて
みてくるんだ?幼たい気なアカゴよ
いえいえ赤児はなにやら下心から企てて
いるわけではありません
邪気がないからむじゃきというの
でももしかしたらその玉敷こには
転生前の人格が秘くれていて
このヘンな時代の衆生無象の生態
慣習を検分評価しているのかもしれない
そう考えると乳児のくりくり瞳孔ってさ
壞ょわい
にゅー タント かもしれないよね
そのうち重力物質かなんかを発見し
量子コンピューターを実現する人 に
なるのかも
それとも携帯原子炉を流通させる?
フルダイブヴァーチャルゲームをクリ
Aト?
いづれに城 どないなる可能性だってある
化膿だってする骨折だっていづれする
スエヒロガリの雛な
人間未來
そんなことかんじて
あらためえてあたためえて
ヨソの赤ちんのちみつ明細なオカオ
覗き込んだらヨソのママにぎろりと
睨らまれた憎くまれた
しゃない 疱お瘡お がみみに到どいて
追詰められユビ詰されるような拙ばさ
どくどくと雲りあがってきた
『車内で不審な人物がおりましたら
すぐに係り員におしらせください……』
あっ 通報やめて!