ポエム
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油膜が匂わせる夏終り予報



ギィギィギィ ギィ
またハシタナイこえがした

あさまどをあけると
サッシに停まっていた油蝉が
あわてて叫んでにげていった
このいくじなしめ

雨の日がひえて連日の熱帯候も
ようやく一息ついた感じ
めずらしくできあがった
みずたまりを覗いてみると
紫や緑が色どる油膜がかかっていて
ぎらぎら偏相していたその珍秘

アブラアブラ
脂と膏がしめすかれらの命の畢り
完結
それはけっして
健全でも潔白でも純真でも誠実でもなく
どろどろダラあダラあ
みだらあぁぁぁぁぁぁぁ
不健康で疑念敵な敵意腹異あるもの
ポツネンとした穢の一点一糸

だが果敢なさ 手向け 憐なしさという
なさけない ミットモないそれらづべて
の負のものを 意地っ張りとか
見栄鍼り 軽口なんかで敢ざとおおい隠し
欺罔 飄々とした
これもそう 在るいきざま



23/08/10 02:03更新 / OTOMEDA



談話室



■作者メッセージ


油 油 あぶらは決して
裸ずかしくなんかない。

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