塔徴(せんせき)
古城
古城は時空のそこに 佇む
唯だ 一線と凍り塊いて
事象を後世に 蔦 L 受渡すために
城址のいしがきにうかびきえる 霞む
将やモノノフたちの残夢たち
余 多 痘 痕
猛ったり焚いたり怨んだり醒ったり
断末魔さえも美学の蔦の殻らまる
巓だきに 譱 と聳びえるだよう
天守閣は四方のパノラマ一覧する
照会する 周いに螺旋かく黎鎖らの
志環(ここたま)の拠り粉
掴んで鳴げつけぱらちらばる
ヤツのみらいにはてなくふくらんで
ありあらゆるる意思に鋭鏡およぼす
お屋形様はしろが燃えおつる際に
松つごのいっ献んを一騎に干して
武壇の減り張りを湿して露となった
いしがきの峻厳に やはり透けながら
あっち側の映像ふうに 被 ぶさる
露者たちの 有 貌 無 貌
痴曼荼羅