襁 篭 廈
野山に踏み入るとよく邂逅うであろう
羊歯植物 私は無意識に広い面積の 園の
葉を裏ら返して 裏面んを検ん分んする
そこには零余子
アパートメントのように 列 らぶ
むかごの梯し子の列が びっ っ しりと
親のふところにはりついているのだ
緻密なハリ鼠の朿げのよう
発生の課程の不思議のひとつなのである
果子植物とちがいかれらは
「実」をつくらない
葉の後ろがいわば「実」の代わりの巣袋
眩 なやかに 光合成しているすぐ背中で
次代の赤子たちが発生し 育くまれるのだ
赤子でなくムカゴだけど
襁篭
親葉の裏部はかれらの揺り籠
乳母車でしかも集合住宅
効率 的 ハウジング!
ほらみみをすましてごらん狐ねのように
囃 や 子のなかのグリーンズのはざまから
ひ と し れ づ つ
しゃらら シヤラ ラ とゆう
かれらの静謐なハウリング (存在主張)
も聴 こ えてくるだろう?
きっときみたちの こまく にも
コハク の じ ゅ ずぅ飾ざ り のように
震 動゛いてくる橋 づ
ムカ ムカ ムカ ムカム カム カ厶カム と
かれらはむだなオシャベリさえ
ダム ダム ダムダム と している み たい
面 も白いね