ひらかぬ朝のための叢稿
目覚めない朝を
ぶじむかえる
おかしないいかただが
ひとの生の結わりかた
膜の綴じかたでこれいじょうの
理想はない
幕わりはいづこのだれでも
どちらにしろ至とずれる
れいがいはない
安らむか苦しむかの差がいだ
瞼塞ぐ前に笑顔綻ろびふあんもなく
床について 翌朝意識がからだと
遊離していればそれで一環
個人生の一貫一巻した団円
大団円ではなく些団円だが
結ばれた良物語
そうだいな宇宙史 地球史 人類史 に
とって君が一体いみあったかはまた
別の事
物象の有象無象の真っ唯だ中かに
とけてまざり擁散していくのである
なにも残こらなくていい
なにも遺こさなくていい
ただ いっしゅんでもそんな生が
存在した それのみが退境するいしき
への最大の餞なむけである
いませいぞろいする魂魄連は
ずらりそろっていれかわり
別の象限に移相するのだから
それは じつに法則てきに平等
だから22世紀はえそらごとで
かまわない じぶんたちはかつて
絵空事だった時世に今たっている
だって目の前にめをこらしてご覧
21世紀って思いの外つまらないよ
色はついてカラホォだけど 残酷だ
疲れはててしまう
そんな 弱わ気だけが先行する
鳥聲チュン の朝に 独りよこたわる