海 白
昨朝の庭たるうみは 白 牢 の城壁に
いちめん 奏 ざ さ れた
その
普段の粧いとはぜんぜんちがう
なにも余分なものを魅せ点けない
ホワイト様ま一色だけのシンプルで
ストレート W H Y ちょこれーとな
うつくしさに わたしも 恍 惚 と
じかんと世事の鬱蒼をわすれた
はくぎり しらもや
も 霜 も
このとき 多角く 視野をうつして
鳥の目からみおろせばきっと洋ろまは
雲荘のなかに 深ぶかしずんでるように
擬えたのだろう
ふだんは透いたみずの粒素たちが
貌たちなし白の彩や浮かべて
映つしと常床の境いを囲こった帳ばり
慕 織 誌潤c と海難を避けるため
艘らがわざと 呼び交す霧笛が素敵に
遠く 近く このとき限り 複奏を開演した
しろしか視えないからこそそれらは
場くすぐる 情 著 楽
こまくとくうき 慄るわせるのに
それにもまして なみおとが絶えぬのに
徐かなること 森 閑 の 如 く
しずかなる 響 の 海岸の朝
それは沈黙くに等 らぶ コンサアトだった